会長挨拶

 朝日大学歯学部大阪府同窓会会員の皆様におかれましては、日々ご健勝にお過ごしのことと心よりお慶び申し上げます。平素は同窓会各事業ならびに会務運営に対し、多大なるご理解、ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。

 さて北野病院などの研究チームは、人に「歯生え薬」を投与する治験を9月から始めると発表しました。「歯生え薬の実用化は歯医者の夢で、入れ歯やインプラントに次ぐ第3の選択肢として歯科診療に浸透させたい」と話しています。研究チームは「USAG-1」というたんぱく質が歯の成長を抑制しているためであると突き止め、2018年に「USAG-1」の働きをなくす抗体薬を世界で初めて開発しました。すでにマウスやイヌなどに対しては、薬を投与して歯を生やすことに成功しており、新たに9月から30歳から65歳未満の男性30人に薬を投与して、副作用の有無などを確認する治験を始めるそうです。さらに2025年度中には、先天的に永久歯が生えてこない2歳から7歳の子どもを対象にした治験も検討しています。そして2030年をめどに、先天的に永久歯が生えてこない「先天性無歯症」の人向けの薬の実用化を目指し、将来的には虫歯や歯周病などで歯を失った人の治療にも期待されています。

 日本の歯科医療は先進的な技術と高度な設備を備えています。患者さんの満足度も高く、丁寧な説明や治療の選択肢の提案、アフターケアなどが評価されています。しかしながら、諸外国と比べると歯科医療に対しての評価はまだまだ低く、歯科診療所の経営環境は疲弊し活力をなくしている状態です。今後さらなる日歯と日歯連盟の連携により歯科医療の重要性、そのエビデンスを広く発信しなければならないと考えます。日歯のシンクタンクを機能させることも肝要となります。

 また、現在の大阪府歯科医師会会員数は約5400人で70歳以上の終身会員が占める割合は約26%となっています。2040年には会員数は1000人減少し、終身会員はおよそ43%となると予測されています。府歯のみならず、どの地区においても「会員種別・会費、終身会員」の問題は避けては通れません。さらに医療DXの問題など課題は山積しております。

 同窓会においては10月に会員親睦会「会員の集い(新入会員歓迎会)」を開催し、150名を超える方々にご参集いただきました。10名の新入会員も出席し、同窓会の活性化を感じることができました。大阪府同窓会の会員数は1100名を超えております。朝日大学歯学部同窓会の会員数は約6600名。6名に1人は大阪人ということになります。まさに一大勢力であり、大きな力を生み出すことができると確信しています。

 2025年には大阪万博が開催され、同時に大阪府歯科医師会は100周年を迎えます。今こそ同窓会、府歯、そして大学が一体となり様々な問題に取り組む時代が到来したと考えています。今後ともますますの歯科医師会事業、同窓会活動へのご協力をお願い申し上げます。

朝日大学歯学部大阪府同窓会
会長 木田 眞敏

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